2025.12.12 エステ業界情報

エステサロンの満足度やリピート率は、施術技術だけでなく「カウンセリングの質」に大きく左右されます。お客様の悩みや背景を正しく理解できれば、提案の精度が上がり、不要なトラブルの予防にもつながります。本記事では、エステサロンにおけるカウンセリングの目的、進め方の基本(プレ・イン・アフター)、そして最低限押さえたいヒアリング項目5つを整理して解説します。
エステサロンのカウンセリングは、単なる「受付」や「同意書の確認」ではありません。施術の前後にお客様の状態を把握し、最適な提案と安心できる体験をつくるための、重要なオペレーションです。カウンセリングの質が高いサロンほど、施術への納得感が生まれやすく、継続利用につながりやすい傾向があります。
まず大切なのは「お客様の悩み・目的の把握」です。同じ“乾燥が気になる”という言葉でも、季節性なのか、生活習慣によるものなのか、以前の施術経験やホームケアの状況なのかで、提案の方向性は変わります。表面的な要望だけでなく、背景まで丁寧に確認することで、メニュー選択や説明がぶれにくくなります。
次に「施術内容の説明」もカウンセリングの大きな役割です。何をするのか、どのような流れなのか、注意点やホームケアのポイントは何かを事前にすり合わせることで、施術中の不安を減らせます。とくに初回来店のお客様は、施術そのものよりも“分からないこと”にストレスを感じやすいものです。専門用語を多用せず、わかりやすい言葉で伝えることが満足度に直結します。
そして「信頼関係の構築」も欠かせません。カウンセリングで“自分の話をきちんと聞いてくれた”という体験があると、提案の受け入れ度が高まり、次回予約やホームケアの継続にもつながります。逆に、話を遮る、結論を急ぐ、否定から入るといった対応は、クレームや離脱の原因になります。施術の前に信頼の土台をつくる、それがカウンセリングの本質です。
エステのカウンセリングは、大きく分けて「プレカウンセリング」「インカウンセリング」「アフターカウンセリング」の3段階で設計すると、情報の取りこぼしが減り、提案の精度が上がります。初回だけ丁寧にして終わりではなく、来店ごとに必要情報を更新する運用が重要です。
3段階に分けるメリットは、タイミングごとに目的が違う点にあります。施術前は不安の解消と安全確認、施術中は体感のすり合わせ、施術後は次回につながる整理とホームケアの共有。流れを型化することで、スタッフ間で品質が揃い、属人化を防ぎやすくなります。
プレカウンセリングは、施術に入る前の最重要パートです。ここでは、来店目的の確認、過去の施術経験、生活習慣、健康状態などを整理し、当日のメニュー方針を決めます。初回は特に、ヒアリングを丁寧に行い「何のために来店したのか」を言語化してあげると、施術後の満足度が上がりやすくなります。
また、施術内容・所要時間・当日の流れ・注意点を事前に共有し、同意を得てから進めます。説明が不足すると、施術後に“思っていたのと違う”という不満が生まれやすくなります。お客様が理解できたかどうかを確認しながら、双方向で進めることがポイントです。
インカウンセリングは、施術中に行うコミュニケーションです。力加減や温度、体感の違和感がないかを確認し、必要に応じて調整します。ここを丁寧に行うことで、クレーム予防と満足度向上の両方に効果があります。
また、施術中に見えた肌状態や触診の所感を、お客様にわかりやすく共有するのも有効です。たとえば「乾燥しやすい箇所」「摩擦が出やすい箇所」など、次回の提案やホームケアの話につながる情報を、押しつけにならない範囲で伝えます。インカウンセリングは、提案の“根拠”を積み上げる場でもあります。
アフターカウンセリングは、施術後の状態確認と、次回につながる整理の時間です。施術直後は肌や体が変化しやすいため、当日の注意点(摩擦・保湿・入浴・紫外線対策など)を簡潔に伝えます。情報量が多すぎると記憶に残らないため、最優先事項を絞って伝えるのがコツです。
加えて、目標に対して「次に何をすると良いか」を提案し、来店周期の目安を共有します。次回予約の案内は“売り込み”ではなく、お客様の目的を達成するための計画として提示すると受け入れられやすくなります。ホームケア商品の案内も同様で、必要性と使い方を丁寧に説明し、選択はお客様に委ねる姿勢が大切です。
カウンセリングで最低限押さえたいのが、属性(個人情報)・来店目的・エステ経験の有無・ライフスタイル・健康状態の5項目です。これらを整理しておくと、提案の精度が上がるだけでなく、施術中のトラブル予防にもつながります。スタッフが変わっても対応品質が落ちにくいよう、シート化して運用するのがおすすめです。
年齢層、連絡先、職業や勤務形態など、基本情報はサロン運営の基盤です。来店頻度の目安や予約可能時間帯の把握にも役立ちます。個人情報の取得は必要最小限にし、利用目的を明確にしたうえで適切に管理することが重要です。
最も重要なのが来店目的です。「何が気になっているか」だけでなく、「いつまでにどうなりたいか」「過去に何を試してきたか」まで聞けると、提案が具体的になります。目的が曖昧な場合は、選択肢を提示しながら一緒に整理していくとスムーズです。
エステ経験の有無は、説明の深さや不安ポイントを見極めるために欠かせません。過去に満足した点、逆に不満だった点が分かると、同じ失敗を避けられます。施術に対する期待値や、コミュニケーションの温度感も調整しやすくなります。
睡眠、食生活、運動、入浴習慣、日中の紫外線環境、スキンケアの手順など、ライフスタイルは肌状態や体調に直結します。ここを把握しておくと、施術提案だけでなく「日常で気をつけるポイント」まで具体的に案内できます。難しい改善を押しつけるのではなく、できそうな範囲から一緒に選ぶ姿勢が大切です。
体調、通院状況、服薬状況、アレルギー、妊娠の可能性などは、安全管理の観点から必ず確認が必要です。施術の可否判断や、当日の施術内容の調整に関わります。聞きづらい内容ほど、丁寧な理由説明とプライバシー配慮が欠かせません。必要に応じて、医療機関への相談を促す判断も重要です。
最後に、カウンセリングの質を底上げするためのポイントを2つ紹介します。
カウンセリングの基本は、話を遮らずに最後まで聞くことです。結論を急がず、相づちや要約で“理解している”ことを伝えると、お客様は安心しやすくなります。共感は同意ではなく「お気持ちを受け止める」姿勢です。ここができると信頼関係が強くなり、提案の納得感も高まります。
カウンセリングでの提案は、お客様の目的達成のための選択肢提示として行うのが基本です。断りにくい空気をつくると、短期的に売上が上がっても長期的には不信感につながります。必要性と根拠、使い方を丁寧に説明し、選択はお客様に委ねる姿勢が結果的に継続利用につながります。
エステサロンのカウンセリングは、悩み・目的の把握、施術内容の説明、信頼関係の構築という役割を持ち、満足度やリピート率を左右する重要な工程です。プレ・イン・アフターの3段階に分けて設計し、属性・来店目的・経験・生活習慣・健康状態の5項目を確実に押さえることで、提案の精度と安全性が高まります。
サロンのサービス品質をさらに高めるためには、施術設計だけでなく、ホームケア提案やメニュー構築に役立つサロン専売商材の選定も重要です。導入検討中のサロン様向けに、商品詳細や導入事例、メニュー化サポート資料もご用意しています。お気軽にお問い合わせください。
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