2025.12.12 エステ業界情報

エステサロンの集客手段はSNSやWeb広告が主流になりつつありますが、地域の見込み客に“直接手渡しできる”チラシは、今でも来店のきっかけ作りに強い販促ツールです。とはいえ、ただ作って配るだけでは反応は伸びにくく、見た人が「行ってみたい」と感じる設計と導線が必要になります。この記事では、初めてチラシを作るサロンオーナー様に向けて、行きたくなるチラシの作り方と注意点(広告規制・法律面)をわかりやすくまとめます。
エステサロンにとってチラシは、地域の見込み客へサロンの魅力を“紙1枚で伝えられる”大切な販促手段です。SNSやWeb広告が普及した今でも、手に取って読める紙媒体は記憶に残りやすく、来店のきっかけを作りやすい強みがあります。
一方で、チラシは「配れば集客できる」ものではありません。サロンの強みが一目で伝わる構成になっているか、視覚的に魅力的か、読んだ人が迷わず予約できる導線になっているかなど、押さえるべきポイントが複数あります。ここでは、行きたくなるチラシ作りの要点を8つに整理して解説します。
最初に決めるべきは「誰に来てほしいか」です。年齢層、ライフスタイル、悩み、通える距離、価格感などを具体化すると、デザインも文章もブレません。たとえば“仕事帰りに通いたい30代”と“日中に通える50代”では、響く言葉や必要な情報が変わります。ターゲットが決まると、写真の雰囲気、色味、メニューの見せ方まで一貫性が出ます。
チラシにメニューを詰め込み過ぎると、結局どれが強みなのか伝わりません。初めてのチラシでは、まず「入口となる主役メニュー」を1つ、補助として1〜2つに絞るのがおすすめです。主役メニューは、初回体験で魅力が伝わりやすく、リピートや別メニュー提案につながるものが向いています。迷ったら“いちばん提案したいメニュー”を主役に据えましょう。
チラシは数秒で「読む・読まない」が決まります。最上部に配置するキャッチコピーは、ターゲットの悩みや理想に寄り添い、サロンの価値を短く言い切るのが効果的です。たとえば「忙しくても通いやすい」「完全個室で落ち着ける」「初めてでも相談しやすい」など、体験価値に直結する言葉は強いフックになります。数字を入れる場合は、過度な断定にならない範囲で“分かりやすさ”を優先しましょう。
初来店の不安を減らすには「どんな場所で、どんな人が対応してくれるか」が見えることが重要です。内装の清潔感、施術ルームの落ち着き、スタッフの表情が分かる写真は、安心感に直結します。写真は暗い・ブレている・生活感が写り込んでいると逆効果になりやすいため、可能なら自然光で撮影し、背景を整えてから撮るのがおすすめです。
紙のチラシは「今すぐ行く理由」を作ると反応が上がります。そのため、期間限定の体験特典や初回クーポンは有効です。ただし、値引き一辺倒だと“安さ”だけが印象に残りやすいので、サロンの価値が伝わる設計が大切です。たとえば「初回カウンセリング付き」「ホームケアの使い方アドバイス付き」など、体験価値を高める特典もおすすめです。
「場所が分からない」は離脱理由になりやすいポイントです。駅からのルート、目印、駐車場の有無などを簡潔に載せましょう。地図は細か過ぎると見づらいので、主要な道路・建物・ランドマークだけに絞ってシンプルに作るのがコツです。住所は省略せず、建物名や部屋番号まで正確に記載します。
チラシで興味を持っても、いきなり予約に進むとは限りません。そこで有効なのが、ホームページやSNSへの2次元コードです。施術事例、サロンの雰囲気、スタッフ紹介、予約ページへの導線が整っていると、検討中のお客様の不安が減ります。2次元コードは小さ過ぎると読み取れないため、余白を確保し、読み取りテストをしてから入稿しましょう。
チラシは“作って終わり”ではなく、改善して育てる販促物です。配布エリア、配布時期、反応が良かったメニュー、問い合わせが多かった訴求などを記録し、次回の改善に活かしましょう。クーポンコードを変える、予約フォームの専用URLを用意するなど、反応の計測ができる仕組みを作ると精度が上がります。
チラシはサロンの魅力を伝える強いツールですが、伝え方を誤ると「分かりにくい」「怪しい」「信頼できない」という印象につながることがあります。とくにエステは“体に触れるサービス”のため、安心感と信頼性の設計が欠かせません。ここでは、必ず押さえておきたい注意点を2つ紹介します。
初めて作るチラシほど、伝えたいことを盛り込み過ぎてしまいがちです。しかし、情報が多いほど読み手は疲れ、結局何も覚えてもらえないことがあります。チラシの役割は「興味を持ってもらい、次の行動へつなげること」です。主役メニュー、サロンの特徴、初回導線(予約方法・アクセス)に絞り、細かい説明はWebへ誘導するとスッキリまとまります。
「どれくらいに抑えるべきか分からない」場合は、他サロンの実例を参考にしたり、デザインツールのチラシテンプレートを活用して“余白の感覚”を掴むのも有効です。テンプレートは情報設計が整っていることが多く、初めてでも読みやすい構成になりやすいメリットがあります。
エステサロンのチラシ作成では、見栄えや内容だけでなく「広告に関わる法律」を守ることが重要です。日本では消費者保護の観点から、広告表現が細かく規定されています。代表的なものが、薬機法・医師法・景品表示法・あはき法です。意図せず違反表現になってしまうと、行政指導などのリスクにつながる可能性があるため、入稿前に必ず確認しましょう。
薬機法(旧 薬事法)
化粧品・医薬部外品・医薬品に該当するような効能効果を、エステの広告で断定的にうたうことは避ける必要があります。たとえば「治る」「改善する」「シミが消える」など、医薬品的な表現はリスクが高い表現です。チラシでは「肌を整える」「うるおいを与える」「なめらかに見せる」など、印象表現・化粧品レベルの表現に留めるのが安全です。
医師法
医師のみが行える医療行為や診断・治療を連想させる表現には注意が必要です。「治療」「診断」「医療レベル」などの言い回しや、医療機関と誤認される表現は避けましょう。エステは医療とは提供範囲が異なるため、役務の範囲を正確に伝えることが大切です。
景品表示法
実際より著しく優良・有利だと誤認させる表示(誇大広告)を規制する法律です。「必ず」「絶対」「日本一」など根拠のない断定や、比較優良の表現には注意が必要です。また、モニター事例を掲載する場合も、個人の感想であることが分かる形にし、一般化する表現は避けるのが無難です。
あはき法(あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師等に関する法律)
施術内容によっては、国家資格の範囲と誤認されない表現が求められます。チラシでは、提供サービスを正確に記載し、医療行為や資格業務と誤解される言い回しを避けることが重要です。表現に迷う場合は、専門家や制作会社にチェックを依頼するのも一つの方法です。
これらの規定に違反すると、行政指導・業務停止・罰金などのリスクが生じる可能性があります。チラシは“集客の武器”であると同時に“サロンの信用を映す媒体”でもあります。内容を整える際は、法令面も含めて丁寧に確認しましょう。
行きたくなるエステサロンのチラシを作るには、ターゲット設定、主役メニューの厳選、キャッチコピー、写真、クーポン、アクセス情報、2次元コードなど、押さえるべきポイントがあります。配布後に反応を見て改善することで、チラシは“育つ販促ツール”になります。
また、広告表現は法律の理解が欠かせません。信頼を損なわない表現と、分かりやすい導線設計で「行ってみたい」を後押しするチラシを作りましょう。サロンの魅力づくりやメニュー構成、専売商品の導入をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
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